活動の記録

暗室作業

ブログ三発目は予告通り「暗室作業ってなんぞ?」ということについて

書いてみたいと思います。

ここで言う「暗室作業」はイコール「プリント作業」と思っていただけると幸いです。

内容は、前回と同じように銀塩モノクロプリントに絞らせてください。

 

さて、前回のブログで暗室(赤い部屋)が必要な理由と

印画紙について何となーくご理解いただ…け…た?…でしょうか。

(上手く説明できているのか、毎回不安です)

では、今回は暗室作業の流れを辿る旅に出ましょう!

 

基本的な内容は前回少し触れたように

「ネガフィルムの画像を印画紙に転写してポジ画像を得る」

というのが大きな目的です。

しかし、例えば35mm版のフィルムを、その大きさにしか転写できないんじゃ

とってもとっても小さくて悲しくなるわけです。

 

IMG_1667

【35mmフィルム1コマの大きさ(一円玉と比較)】

 

なので、「もっと自分の好きな大きさにしたい!」

という思いが沸々と湧いてきます。

その思いをかなえてくれるのが「引伸し機」です。

暗室というと、こいつがデーンと構えているイメージが

なんとなくあるかもしれません。

 

IMG_1649

【引伸し機】

 

引伸し機のイメージとしては、プロジェクターが非常に似ています。

プロジェクターは自分が見たい画像や映像をスクリーン等に投影する機械です。

引伸し機も基本的な機能は同じで、使い方も似ています。

 

①プリントしたいネガをセットし画像を投影します。

IMG_1656

【ネガの画像を投影】

 

②プロジェクターのように引伸し機の高さ(投影する面からの距離)を

変えることで画像の大きさを調節。

IMG_1651  IMG_1654

【近づけると小さく】             【遠ざけると大きく】

 

③きちんと画像のピントが合うように調整。

IMG_1657  IMG_1660

【BAD!】                 【GOOD!】

 

こまごましたことはあるのですが、これがざっくりとした引伸し機の使用法です。

 

大きく違うのはその目的で、引伸し機は画像を見るための機械ではなく

印画紙に画像を「転写する」ための機械です。

別の言い方をすると、引伸し機は「カメラの逆」を行う装置です。

カメラは外の光を中に「入れて」、フィルムに画像を描き込みます。

その逆に、引伸し機はネガを通した光を「出して」

印画紙に画像を描き込んでいます。

なかなかわかりづらくなってきましたね…すみません。

要は、引伸し機は自分の好きな大きさで、ネガの画像を印画紙に

描き込む役割を担っているのです。

 

ちなみに、業界用語なのかもしれませんが

引伸し機で、画像を印画紙に照射することを「焼きつける」と言います。

それが転じてか、暗室経験のある方は「プリントする」を「焼く」と言うことが多いです。

なので、「写真を焼いたぜ!」って言うと通っぽいです。

無駄知識ですね(笑)

ちなみにちなみに、それもあって「プリントする」を「印刷する」と言われると

時代の流れを感じて個人的にちょっと凹みます…。

これは本当に無駄知識です。

 

さてさて、話を戻しますと

引伸し機で、自分の「焼き」たいカットを「焼き」たい大きさにし

印画紙に「焼き」付けることができました。

では、インクジェットプリンターのように、ベベーっと

紙にすぐ画像が出てくるかといえば、実はそうではありません。

前回、「印画紙はネガフィルムの紙バージョン」とお話しさせていただきましたが

処理の仕方まで、ほぼ同じなのです。

いくら印画紙に画像を焼き付けても、それだけではただの真っ白な紙です。

 

焼き付けられた画像を見るには、フィルムの時と同じように

「現像液」「停止液」「定着液」に浸けてやる必要があります。

よく映像などで見る、液体に紙を入れてちゃぷちゃぷしていると

像がボーっと浮かび上がってくるのはこの部分です。

 

IMG_1665

【ちゃぷちゃぷ】

 

フィルムの場合は光が当ることが全く許されないので見えないのですが

印画紙の場合はセーフライトがあるので浮かび上がってくる様子を

見ることができるわけです。

 

それぞれの薬品の役割は

現像液で印画紙に焼き付けられた画像を浮かびあがらせ

停止液でその反応を止めてあげます。

そして、定着液で画像だけを紙に残し

これ以上光にあたっても反応しないよう処理をする

といった感じです。

 

その後は、印画紙に薬品が残留していると、それもそれで悪さをしてしまうので

水洗をし、乾かして「できた―!」となります。

 

IMG_1668

【でっかくなっちゃった!】

 

ものすごく端折っていますが、これが暗室(プリント)作業の流れです。

 

またもや、とっても長くなってしまいましたので

今回はこの辺で…毎度すみません。

読んでくださった方、ありがとうございます。

ただ、実はまだちょっと書き足りないことがあるので

それを次回書きます!書かせてください…。

今回は、ちょっと尻切れトンボな感じになってしまいましたが

もしよければ、次回も読んでいただけますと幸いです。

ダメって言っても、書くから!

 

 

ポエティック神谷

Posted in

ブログ二発目なので、まだまだ真面目な内容で…

と自分を戒め、前回がフィルム現像についてだったので

今回は「暗室ってなんぞ?」という素朴なお話しを。

うちがモノクロ専用暗室ということもあり、銀塩モノクロプリントに絞って

今回もライトな感じで書いていきます。

 

さて、まずよく(?)耳にする「暗室」というと

こんなイメージだと思います。

 

light_off_1

【ザ・ダークルーム 暗室】

 

赤いボヤーッとした光の部屋で、紙を薬品に浸してちゃぷちゃぷ…。

するとボーっと像が浮かび上がってくる。

 

で、そもそも何でこんな暗い部屋が必要なのか疑問に思いませんか?

 

その答えの一つが、銀塩モノクロプリントに使う紙 「印画紙」 との関係です。

「画」を「印」するという、とてもわかりやすい呼称(笑)

 

IMG_1451

【こんな感じで箱に入ってます】

 

まず、一番大事なことを言わせてください。

絶対に箱を開けないでください!

「押すなよ?押すなよ?」的なネタじゃありません。

本当に開けないでね。

 

この紙はデジタル出力で使うインクジェットペーパーとは、全く異なる性格を持っています。

それは「光にとても弱い」ということです。

「またかよ!」とお思いでしょう!

そうです!またです!

と言いますか、イメージとしてはネガフィルムの紙バージョンと

考えていただければと思います。

 

印画紙はその表面にフィルムと同じように感光材(光に反応する物質)が

まんべんなく塗られています。

感光材の性質もフィルムと同じように光が当ったところが反応して

黒く描き込まれるようになっています。

なので、フィルムと同じように(しつこい)ちょっとの光にも反応して

すぐお亡くなりになってしまうのです。

よくあることなのですが

初めて印画紙を買う→ウキウキする→どうしても中が気になる→開ける

その時点で印画紙は無情にもお亡くなり遊ばせます。

しおしおのぱー…。

 

ということで必要になってくるのが、あの赤い部屋「暗室」です。

「光に弱いくせに、赤い光が点いてるじゃないか!」と言ってくださる

そこのあなた!

ありがとうございます!

 

IMG_1630

【セーフライト】

 

実は、印画紙はフィルムより鈍感で

ある波長のごく弱い光には反応しないようにできています。

そのため、あの赤い光、一般的にセーフライトと呼ばれる光のもとなら

印画紙を出しても短時間なら影響はありません。

要は、セーフライト下なら印画紙が駄目にならないということです。

そして、セーフライトを点けられると物が見えて

暗室内での作業がグッとはかどるようになります。

 

はてさて、暗室の必要性が何となくわ…かっ……た

ところで、また素朴な疑問が浮かんできます。

なぜそんなことまでして、ネガフィルムと同じ性質の

めんどくさい紙が必要なのか、と。

 

前回書きましたが、フィルムとして一般的なネガフィルムには

私たちが見ている世界の、光と影が逆転した状態の像(ネガティブ)が描かれます。

そのままでは「そんなもの欲しくないやい!」となるかもしれませんが

はて待てよ、と。

もしかして、その像を同じ性質を持つものに転写すれば

私たちが見ていた像(ポジティブ)に戻るのでは!?

と言うのが、ものすごくざっくりした暗室プリントの原理なのです。

ちょうど、マイナス×マイナスがプラスになるような感じでしょうか。

そのため、ネガフィルムと同じ性質を持つ印画紙が必要となってくるわけです。

これを「ネガ・ポジ法」と呼びます。

 

IMG_1637 ☞ img014

【ネガからポジへ】

 

ネガ・ポジ法はネガという原版があるため

・何枚も同じ画像をプリントできる

・自分の好きな大きさに画像をプリントできる

・プリントの段階でも調整や手を加えられる

という利点があります。

昔、よく「焼き増し」(同じ画像を複数枚プリントする)という言葉を

日常的に聞きましたが、あれはネガがあってこその話なのです。

だから安易にネガを捨てないでね…。

 

さてさて、調子にのってぐだぐだ書いたもんだから

めちゃ長くなってしまいました。

今回はこの辺りで…。

 

次回は「じゃあ実際に、暗室では何が行われているのか?」という

内容について書きたいと思います。

 

毎度、無駄に長ったらしくてすみません。

最後まで読んでいただいている方、本当にありがとうございます。

どれだけの方に読んでいただいているのか全く不明ですが

引き続き、長ったらしい文を、ちょくちょく書いていきますので

どうぞ、お付き合いの程、宜しくお願いいたしますm(_ _)m

 

 

ポエティック神谷

Posted in

ブログ一発目は、さすがに真面目な内容を…

と、頭がパンクするほど考えをめぐらせ寝込んだ(大嘘)上で

今回は、「フィルム現像ってなんぞ?」という素朴な疑問について、少し語らせてください。

ここでは、フィルムの中でも個人で現像がしやすい

モノクロネガフィルムの現像に絞って書きたいと思います。

「ちょっと興味があるんだけど…」という方向けのライトな内容になりますので

いろいろ端折っていますが…お見逃しくださいm(_ _)m

 

まず、フィルムってどうやって画像を記録しているのでしょうか?

ずばり、光に反応することで記録しています。

フィルムには光に反応する物質(感光材)がまんべんなく塗られていて

それがレンズを通してカメラに入ってきた光(像)に反応することで

皆さんが撮った写真を記録しているのです。

 

では次に、どんな反応をしているのか。

ここでは、フィルムの中でも一般的なネガフィルムについてのお話しになりますが

簡単に言うと、光が当ったところが後で黒く残るようになっています。

光の多く当ったところが黒く

ちょっとなら灰色(薄く)に

全く当らなかったところは白い(透明)まま

といった感じで、光の当った量によってグラデーションで変化するようになっているのです。

 

この性質の為、できあがるのは私たちが実際に見ている世界とは

光と影が逆転した画像「ネガティブ」になります。

プリントを見ると、かわいい顔なのに

フィルムを見ると、めっちゃこわい顔になってるやつ。

あれです。

あれが「ネガティブ」像です。(つ、伝わるかな…)

ネガフィルムの「ネガ」は「ネガティブ」のことを意味しています。

 

イメージとしては肉を焼くときに

よく火(光)が通ったところは黒コゲに

いい感じで火が通ったところは灰色に

全然火が通らなかったところは生のままになる

といった感じでしょうか。

そうやって、フィルムに画像が焼き付けられているのです。

逆にわかりづらいですね…すみません。

 

しかし、実はそもそも撮ったぱなしのフィルムというのは

そのままでは写された画像を見ることはできません。

潜像といって、既にフィルムに画像は描き込まれてはいるのですが

姿を現してくれていない状態です。

イメージとしては宝石の採掘みたいなものでしょうか…。

表面上はわからないんだけど地中には埋まっていて

掘ってみてやっと確認できる感じです。

これもわかりづらいですね…すみません。

 

IMG_1625

【撮ったのに何も変化ない…】

 

そこで必要となるのが「現像」。

先のわかりづらい例えで言えば「いい感じに焼けた肉」を「掘り当てる」作業です。

めちゃくちゃ不味そうですね…。

工程をものすごく簡単に説明すると

まずは、撮影済みのフィルムを薬品に浸けて

光が当った部分だけを黒く変色させ「像」を浮かび「現」してやります。

その後に、余分なものを洗い流して、画像だけをフィルムに残します。

それをすることでやっと、お店から戻ってくる、あのフィルムの状態になるのです。

この一連の流れを「フィルム現像」と呼びます。

 

IMG_1622

【現像後は全然違う!】

 

ただ、ひとつ問題が出てきます。

上で書いたように、フィルムは光に反応することで画像を描いているので

逆に余計な光を当ててしまうと、せっかく撮ったものが台無しになってしまいます。

光のあるところで、一瞬でもケース(パトローネ)からフィルムを引き出そうものなら

「光強すぎ!もうだめ!」と、フィルム全体が反応してしまって

せっかく撮った画像を覆い隠して、無情にもお亡くなり(真っ黒)になってしまいます。

しおしおのぱー…。

 

もともと、ほんのわずかな

それこそ、小さな穴から入ってきた1/125や1/250秒間などの光にでも

反応するようにできているものですから、そりゃもうものすごく敏感なわけです。

で、問題になるのが

「現像作業中もフィルムに光を当てることは一切許されないじゃん!」

ということ。

 

しかし、現像作業を終始真っ暗闇の中で行うとなると

気も滅入る(?)し、全く見えない状態でフィルムを取り出し

薬品に浸け、という作業をしなければならないので失敗も多くなりがち…。

で、もうちょっとなんとかならんかね、ということで素晴らしい道具があります。

現像タンクです。

 

IMG_1623 IMG_1624

【現像タンク】

 

使い方としては

現像タンクの中にある「リール」(渦巻いてるやつ)にフィルムを巻き付け、組立てます。

ここまでは、完全暗室内かダークバックを使うなどして

絶対光が当らない中で作業をしなければいけません。

 

しかし、そこまですれば中に入っているフィルムはタンクの容器で守られ

明るいところに出しても大丈夫な状態になります。

要は、現像タンク内が小さな暗室になっているのです。

 

後は、タンクの注ぎ口に「現像液」「停止液」「定着液」の順で

薬品を「入れる→混ぜる→置く→出す」と繰り返し、現像作業を行います。

なんと、薬品に浸ける工程は明るいところでできるようになりました。

こりゃ便利!

 

そして、フィルムに残っている薬品を水でよく洗い流し

乾燥させて、切って、「ほい、できあがり」となります。

これがフィルム現像の流れです。

字面だけ見ていると難しそうに感じる(ごめんなさい…)かもしれませんが

実際やってみると「意外とできるな」といった感じだと思いますよ。

 

では、なぜフィルム現像をわざわざ自分で行うかというと

・ネガの調子をある程度調整できること

・すぐ結果がわかること

(現在では、お店に出すとそこそこの納期がかかるため)

が主な利点になるかと思います。

しかし、何よりの利点は、「わくわく」することです。

自分が撮った写真がどうなっているのかを想像しながらフィルム現像をすると

なんとなく愛着も倍増します。

(失敗した時の悲しみも倍増しますが…。)

 

暗室のスタッフである私がいうと非常に胡散臭いのですが

モノクロ写真を始められた方は、ぜひ一度体験されてみてください。

きっと一本のフィルムに対する想いが変わるはずです。

 

ポエティック神谷

Posted in

ページのトップへ戻る